2011/2/17 15:52
【ハノイ=岩本陽一】ベトナムを代表する同国北部の景勝地ハロン湾で17日朝、外国人観光客らを乗せた船が沈没、12人が不明となった。地元の人民委員会によると邦人1人の遺体が収容された。同委員会筋の情報によると死亡した邦人はパスポート番号などから「ナカハラ」氏の可能性があり、日本の在ベトナム大使館が確認を急いでいる。

ベトナム北部のハロン湾(2010年11月)=共同
トイチェー紙(電子版)は乗客の総数は21人で、このうち乗員と合わせた12人が不明となり、13人が救助されたと伝えた。
在ベトナム日本大使館は同日午前、領事部門の担当者を現地に派遣した。死亡したとされる邦人は男性で「ナカハラ・ジュンペイ」氏との情報がある。ベトナム外務省も外国人らに関する情報収集を急いでいる。地元メディアによると日本人のほか、米国、英国、フランスなどからの観光客が乗船していたもよう。
事故原因は不明。地元メディアによるとトラブルを起こした船は1泊の予定でハロン湾内を周遊中だった。天候に大きな変化はなかったが17日午前5時ごろ、何らかの原因で突然、沈没したという。
日本人を主な対象としたツアーを企画しているハノイの旅行会社によると、今回事故を起こした船会社は「格安料金のパックに参加した旅行者が利用するケースが多い」という。
ハロン湾は「海の桂林」とも呼ばれるベトナムで最も有名な観光地の1つ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。海上に連なる多数の巨岩の間を観光船で周遊したり、洞窟を見学したりするツアーが日本人を含む外国人らの人気を集めている。
ハロン湾は毎年9月から3月ごろまで観光客らでにぎわう。船上では日差しを遮ることが難しいため、観光客は真夏を避ける傾向が強い。首都ハノイを訪れた外国人の大半が同湾に向かうとされる。
Theo tờ Nikkei