ホアンキエム湖 長さ640m、幅220m、池の周囲1750m、深さ1-2m。
ホアンキエム湖はハノイ首都の心と言われ、ハノイはベトナムの心ですから、ホアンキエム湖はベトナムの心の心で、とても神聖な湖です。ベトナムでも、巨大亀はホアンキエム湖にしかいないそうで、その亀も神聖な存在です。
中国では「不到長城非好漢」(長城に到らざれば好漢にあらず)と言いますが、ハノイを観光するとき、ホアンキエム湖に来なければ、ハノイを観光していないと同じです。
昔、ホアンキエム湖は紅河につながっていましたが、湖の中に緑藻類の藻があって、それで水の色がいつも緑色なのです。
この湖の名前もいろいろありますが、昔、この湖で水兵たちが練習したため、水兵湖と呼ばれていました。また水の色が緑なので緑水湖とも呼ばれたことがあります。今のホアンキエムという名前については伝説があります。
昔、レ・ロイ皇帝が、龍王に借りた宝剣で外敵を破りました。そして、この湖で、巨大亀に宝剣を渡して龍王に返しました。ホアンキエムは「剣を返す」という意味です。
巨大亀についての伝説
15世紀、ベトナムは中国の明の支配下にありました。ベトナムの英雄「レ・ロイ」はベトナムの独立のためハノイの南方のタンホア省で、蜂起しました。
彼はある日、剣の刃を見つけ、錆びた刃を研ぐとそこに「順天」と刻まれていました「これが後、レー王朝の元号となります」。さらに彼は刀の柄を畑で拾ったので、2つをつないで宝剣としました。レ・ロイは戦いの時にはこの宝剣を身につけ、明軍を打ち破りました。明からの独立を得たレ・ロイは、タンロン(今のハノイ)で皇帝につきました。
そしてある日、この湖で舟遊びをしているとき、突如、「黄金の亀」が現れ、「陛下、龍王に宝剣を返してください」と言いました。レ・ロイが宝剣を鞘から抜いて亀のほうに振り上げると、宝剣は彼の手を離れて亀のほうへ飛んでゆきました。亀は刃をくわえて、そのまま湖の中へと泳いでいきました。それからこの湖はホアンキエム湖「還剣湖」と呼ばれるようになりました。
現在巨大亀を保存するため、湖の床を浚い、亀タワーの島では砂浜を造り、亀のため休息所や産卵するための場所を作る計画があるそうです。